校長あいさつ

令和6年度のスタートに当たって私たちで共有したいこと

令和6年4月1日の最初の職員集会で先生方とこんなことを共有しました。

まず、最初に今の私の気持ちをお伝えしたいと思います。私の実家がここから車で10分ぐらいのところで、小中高校と実家から通って、大学も4年間実家から通いました。大学を卒業して初めて赴任した高校にも実家から5年間通いました。そういう意味でも、片思いかもしれませんが、私にとって高萩清松高校は地元の学校で、今回高萩清松高校に赴任が決まってとても嬉しかったです。先週末も実家に帰ってきて、自宅に戻るときに、寄り道して高萩清松高校に寄って、校門の外に車を停めて15分ぐらい校舎を眺めて思いをはせていました。これが今の私の気持ちです。

さて、先生方と一緒につくっていきたい学校についてお話ししたいと思います。

1 最上位目標
↓ ↑
2 目指す学校像(生徒が身に付けてほしい資質・能力)
↓ ↑
3 日々の授業

1 最上位目標

これはあえて言葉にすればですが、

『高萩清松高校に関わるすべての人(生徒、私たち、保護者、地域の方々等)のウェルビーイング※の実現』です。

※ウェルビーイング:(中教審答申より)「身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含むもの

この「最上位目標」を言葉で見える化して、共有することで、このあと説明する「目指す学校像」「日々の授業」を含めて、なぜそれが必要なのかということがブレないと思うんです。


2 目指す学校像(生徒が身に付けてほしい資質・能力)

最上位目標達成のために、生徒が身に付けてほしい資質・能力です。以下に書いたものは、昨年度の本校の「学校経営計画表」で示しているものです。まさにこれからの「非連続の時代」「正解のない時代」を生きていく生徒たちに必要な資質・能力だと思います。

◎ 自主自律の精神を重んじ、知徳体にわたる「生きる力」を育成する。


○自ら学び ・ ・ ・ 生涯にわたって学び続けようとする姿勢

○自ら創り ・ ・ ・ 知識や情報の中から知恵を絞り新たなものを生み出す探究心

○自ら拓く ・ ・ ・ 人生を切り拓く強い意志




 

 

 

 

3 日々の授業

そして、先ほど説明した「2 目指す学校像(生徒が身に付けてほしい資質・能力)」の舞台となるのが日々の授業です。生徒たちは学校にいるほとんどの時間、授業を受けています。この授業の中にこそ、私たちが目指す学校づくりのヒントがあると思っています。

(例)ICTの効果的な活用(個別最適化、協働的な学び等の時間の創出等)

 探究的な学びにつながる問いの投げかけ 等
 →授業の「手段」は試行錯誤の連続
 先生方の生徒(授業)に対する、「想い・願い・期待」を大切に

(例)すべての生徒が英語を好きになってもらいたい
    →「すべての生徒が英語を好きになる」授業とは?
     「すべての生徒が英語を好きになる」と願って行う授業

生徒も私たちもたくさんチャレンジできて、たくさん失敗してもよい場に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どのようにICTを活用して、どんな探究的な学びにつながる「問い」を投げかけるかというのは、まさに「正解がない」もので、試行錯誤でいいと思います。ただ、その試行錯誤の根底にある、その試行錯誤のその先に夢見ている、先生方の生徒(授業)に対する「想い・願い・期待」を大切にしていただきたいです。

私は専門が英語ですが、私の英語の教員としての最上位目標は「すべての生徒が英語を好きになってもらいたい」ということでした。それでは、「すべての生徒が英語を好きになる授業とは?」と聞かれたら、「先生がすべての生徒が英語を好きになると願って行う授業」だと考えています。

学校が、教室が、生徒も私たちもたくさんチャレンジできて、たくさん失敗してもよい場にしていきましょう。


次に私が大切にしたいことです。

1つめは「ラポール」(親和関係)です。

「先生と生徒のラポール」「生徒と生徒のラポール」「先生と先生のラポール」

生徒も私たちも、お互いを認め合い、尊重しあえるそんな学校です。

2つめは「ワークライフシナジー((仕事(ワーク)と生活(ライフ)との相乗効果(シナジー))」です。

先生方にも「余白」があってはじめて、ご自身に向き合い、生徒、授業に向き合う余裕が生まれると思います。業務についても、年度途中でも、必要に応じてやめることがあってもいいと思いますし、必要に応じてやり始めることがあってもいいと思います。

3つめはOur Takahagi Seishoです。

これは、「ラグビーワールドカップ2023日本代表スローガン」の「Our Team」から借りたものです。まずは「Our(私たちの)」という当事者意識を、生徒、私たちがもって、そして保護者の方々、地域の方々も一緒に「私たちの高萩清松高校」をつくっていきたいと思っています。


どうぞよろしくお願いします。



令和6年4月3日  茨城県立高萩清松高等学校 校長 塚田 歩